Core Concepts
局所的に差分プライバシーを持つメカニズムの出力分布と入力分布の間の発散の上界を導出した。これにより、局所的に差分プライバシーを持つ統計問題の最小最大リスクを厳しく特徴付けることができる。
Abstract
本論文では、局所的に差分プライバシーを持つメカニズムの収縮特性を調査している。具体的には、ε-LDPメカニズムKの出力分布PK、QKの間の発散を、対応する入力分布P、Qの発散で上界することを示した。
主な技術的結果は以下の通り:
χ2-発散χ2(PK||QK)に対する鋭い上界を、χ2(P||Q)とεの関数として導出した。この結果は、KL-発散や二乗ヘリンジャー距離などの広い発散クラスに対して成り立つ。
χ2(PK||QK)をTV(P,Q)とεの関数で上界する結果を示した。既存の上界は εの指数関数的な依存性を持つのに対し、我々の上界はεの線形依存性となり、実用的な範囲のεに対して大幅に改善される。
これらの結果を用いて、局所的プライバシーの下での統計問題の最小最大リスクを厳しく特徴付けることができる。具体的には、局所的Fisher情報量、局所的Le Cam/Assouad法、局所的相互情報量法、局所的仮説検定などの問題を考察した。
Stats
局所的Fisher情報量IZn(θ)は、IZn(θ) ≼ n (eε-1)/(eε+1)2 IX(θ) と上界される。
局所的Le Cam法による下界は、√2 - √n min{√ΥεDKL(P1||P2), 2√ΨεTV(P1,P2), √ΨεTV(P1,P2)} となり、既存結果より改善される。
局所的Assouad法による下界は、1/2kτ[1 - 2nΨε/k Σj TV2(P+j,P-j)1/2] となり、既存結果より改善される。
局所的相互情報量法による下界は、d/r·e(VdΓ(1+d/r)r/d)eH(θ)/√n(eε+1)/(eε-1) となる。
Quotes
"局所的に差分プライバシーを持つメカニズムKは、χ2(PK||QK) ≤ (eε-1)2/(eε+1)2 χ2(P||Q) を満たす。"
"χ2(PK||QK) ≤ Ψε min{4TV2(P,Q), TV(P,Q)} が成り立つ。ここで Ψε = e-ε(eε-1)2 である。"