核心概念
ナップサック問題に対して、実行時間がO(n + t√pmax)の擬似多項式時間アルゴリズムを提案する。これは、Bateni et al.のアルゴリズム(実行時間O(n + tpmax))よりも高速である。さらに、最小プラス畳み込み仮説の強化に基づいて、提案するアルゴリズムの実行時間が最適である可能性を示す。
要約
本論文では、ナップサック問題に対する新しいアルゴリズムを提案している。
まず、長方形単調最小プラス畳み込みの一般化を示す。これは、入力配列の長さと値の範囲が異なる場合でも、高速に計算できることを意味する。
次に、一般的なナップサック問題インスタンスを、利益と重さの比がほぼ一定の均衡化されたインスタンスに変換する手法を示す。
これらの技術を組み合わせることで、以下のようなナップサック問題のアルゴリズムを得る:
- 実行時間O(n + t√pmax)のアルゴリズム
- 実行時間O(n + (nwmaxpmax)1/3 · t2/3)のアルゴリズム
- 実行時間O(n + OPT√wmax)のアルゴリズム
- 実行時間O(n + (nwmaxpmax)1/3 · OPT2/3)のアルゴリズム
ここで、nは品目数、tはナップサックの容量、pmaxは最大利益、wmaxは最大重さ、OPTは最適解の利益を表す。
提案アルゴリズムの実行時間が最適である可能性を示すため、最小プラス畳み込み仮説の強化に基づいた条件付き下界も示している。
統計
品目数nは10以上であると仮定できる
最大重さwmaxは容量tを超えないと仮定できる
最大利益pmaxは最適解OPTを超えないと仮定できる
任意の実行可能解xに対して、|wI(x) - t| ≤ 2√Δw、|pI(x) - OPT| ≤ 2√Δp が成り立つ