核心概念
ビジョンベースの触覚センサGelSightの黒点の変位パターンを分析し、カールとディフ特徴を用いて物体の修正回転方向を推定することで、ロボットが物体を安定的に配置できる。
要約
本研究では、物体を机に置く際の安定性を確保するため、ビジョンベースの触覚センサGelSightを使用する方法を提案する。
物体が机に接触した際、物体の不安定な配置によって回転モーメントが発生し、物体が一定の方向に回転しようとする。従来の力/トルクセンサを使った手法では、ケーブルの張力やセンサノイズの影響により、この回転方向の推定が不正確になる問題があった。
本手法では、GelSightの黒点の変位パターンを分析し、カールとディフという特徴量を計算することで、物体の回転方向を推定する。カールは物体の回転方向(ロール)を、ディフは回転方向(ピッチ)を表す。これらの特徴量を用いてロボットを制御することで、様々な物体に対して高精度(1度以内)で安定的な配置を実現できる。
実験では18種類の異なる特性を持つ物体を用いて評価を行った。従来の力/トルクセンサ方式では、支持多角形が大きい物体でしか安定配置できないのに対し、提案手法は支持多角形が小さい物体や形状が非対称な物体、接触点が表面ではない物体など、様々な物体に対して高い精度で安定配置を実現できることを示した。
統計
物体の回転方向(ロール)を表すカールの値は、小型長方形物体で0.4±0.2度、大型長方形物体で0.4±0.3度であった。
物体の回転方向(ピッチ)を表すディフの値は、小型長方形物体で0.1±0.1度、大型長方形物体で0.3±0.2度であった。
引用
"ビジョンベースの触覚センサGelSightの黒点の変位パターンを分析し、カールとディフという特徴量を計算することで、物体の回転方向を推定できる。"
"提案手法は様々な物体に対して高い精度で安定配置を実現できる。"