この論文は、ゼロ対象を持つ圏における射の分解である、核と余核による分解、
A / / Coker(kerf) / Ker(cokerf) / / B
を、ゼロ対象を持たない圏に一般化することを目的としている。
有限極限と有限余極限を持つ圏Cにおいて、射の正規分解を構成するために、論文ではまず正規単射と正規全射を定義する。
射f: A → Bに対して、正規閉包νf: Nf → Bと正規双対閉包πf: A → Pfを構成し、f = νf · κf · πfと分解する。
κfは比較射と呼ばれる。
論文では、正規単射のクラスNMono(C)が反射的であり、正規全射のクラスNEpi(C)が余反射的であることを示す。
これにより、正規分解は常に存在することが保証される。
さらに、正規分解が完全であるための条件、すなわちNMono(C)とNEpi(C)が合成について閉じているための条件を考察する。
正規分解が完全である場合、(NEpi(C), K, NMono(C))は直交三項分解系を構成する。
ただし、Kは⊥NMono(C) ∩ NEpi(C)⊥である。
論文では、様々な具体圏における正規分解の構成と性質を詳しく調べている。
例えば、アーベル群の圏Ab、群の圏Grp、可換モノイドの圏CMom、可換単位環の圏CRing1、位相空間の圏Top、T1空間の圏Top1などが挙げられる。
さらに、スライス圏における正規分解についても考察し、特にT1空間の圏と群の圏のスライス圏における正規閉包の具体的な構成を与えている。
最後に、正規閉包と正規双対閉包を取る操作は、より一般的な枠組みである、スパンとコスパンスの間の随伴に関連付けられることを指摘している。
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