本研究では、ダウン症患者の発話の特徴を体系的に評価するためのルーブリックを開発した。このルーブリックは、発音、流暢性、韻律の3つの側面から構成されている。
発音の評価では、単語レベルの置換、脱落、歪み、付加といった誤りを特定する。流暢性の評価では、ブロック、引き延ばし、繰り返しなどのディスフルエンシーを検出する。韻律の評価では、語彙アクセント、韻律的なグループ化、イントネーションの逸脱を確認する。
この注釈ルーブリックを用いて、ダウン症患者の発話コーパス「Prautocal」の一部を注釈した。発音、流暢性、韻律の各側面について、3段階の評価を行った。
初期実験として、発音の自動評価にGoodness of Pronunciation (GoP)を用いた。GoP値と注釈スコアの相関は中程度であったが、傾向は概ね一致していた。流暢性の自動評価では、ディスフルエンシーの種類によって精度に差があり、特にブロックとひきのばしの検出が比較的良好であった。
今後は、より高度な分類手法の適用や、個別の音素レベルでの分析など、さらなる改善が期待される。このようなコーパスの注釈と自動評価の取り組みは、ダウン症患者の発話支援システムの開発に役立つと考えられる。
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