核心概念
大量のカスタマイズと急速な設計変更が3Dプリンティングで可能になる一方で、ロボット自動化を望む製造業は、複雑な幾何学的形状から生じる、グリッパ設計と把握計画の課題に直面する。我々は、異なるオブジェクトや把握位置でも正確で安定した把握を実現する、リジッドグリッパの指パッドをカスタマイズする高速なエンドツーエンドアプローチを提案する。
要約
本論文では、3Dプリンティングの台頭に伴う課題と機会について説明する。大量のカスタマイズと急速な設計変更が3Dプリンティングで可能になる一方で、ロボット自動化を望む製造業は、複雑な幾何学的形状から生じる、グリッパ設計と把握計画の課題に直面する。
現在のグリッパ設計手法は手動で直感的なものが多く、異なるオブジェクトや把握位置に対応できない。一方、ソフトグリッパは柔軟性が高いが精度が低い。そこで我々は、自動化された堅牢な方法を提案する。
提案手法「Fingerpad Customization with Set Operators (FCSO)」は以下2つの主要コンポーネントから成る:
- オブジェクト特徴の抽出と、局所的な形状に適合するグリッパ表面の合成のための、集合論演算(交差、差集合、和集合)に基づく手法
- 合成されたグリッパの把握品質を評価する手法
FCSOのパイプラインは以下の5つのモジュールから構成される:
- 安定姿勢生成器: オブジェクトのCADモデルと設定パラメータから、オブジェクトが平面上で安定する姿勢を生成する。
- 把握サンプラー: 各姿勢でオブジェクト表面上の有効な把握位置をサンプリングする。
- 指パッドカスタマイズ: 把握位置ごとに集合論演算を用いて指パッド形状を合成する。
- 把握品質評価: 合成された指パッド形状の把握品質を評価する。
- 指設計: 最適な指パッド形状を平面指に統合する。
提案手法は、3Dプリンティングで生産される複雑な形状のオブジェクトに対して、複数の把握位置で正確で安定した把握を実現する指パッドを自動設計できる。実験では、提案手法で設計した指パッドを用いて、複数のオブジェクトを複数の姿勢で把握・操作できることを示した。
統計
提案手法は、3Dプリンティングで生産される複雑な形状のオブジェクトに対して、複数の把握位置で正確で安定した把握を実現できる。
実験では、提案手法で設計した指パッドを用いて、複数のオブジェクトを複数の姿勢で把握・操作できることを示した。