ニュートリノ出現におけるCP対称性の破れは、大気ニュートリノ振動と太陽ニュートリノ振動のサブ振幅間の干渉によって生じるが、この干渉にはCP保存項とCP非保存項が存在する。本稿では、CP保存項がサブ振幅の定義の仕方によって変化することを示し、CP保存項を完全に排除することはできないものの、ニュートリノ消失確率において大気-太陽間のCP保存干渉項を持たないような、妥当なサブ振幅の定義が存在することを示す。
ニュートリノの質量混合により振動は起こらないという主張は、ニュートリノが常にエネルギーのほぼ正確な固有状態にあり、ニュートリノ波動関数の空間依存性を無視するという非現実的な仮定に基づいている。
MiniBooNE実験で観測された電子ニュートリノの超過は、標準的なニュートリノ振動モデルでは説明がつかない。本稿では、PT対称性を持つ擬エルミートハミルトニアンに基づく新しいニュートリノ振動モデルを導入し、この超過に対する新たな解釈を提示する。
ニュートリノの質量と他の自由度との間の量子もつれは、質量固有状態間の量子コヒーレンスを破壊するため、ニュートリノ振動は、Zボソンの仮想励起によって誘起されるフレーバー間の変換によって起こる。
ニュートリノ振動は従来の質量混合によるものであり、エネルギー保存則によって禁じられているという主張は正しくない。