本論文は、長距離産業用IoTネットワークにおける時間制約付きフローのスケジューリングに取り組んでいる。
まず、CSQF(Cycle Specified Queuing and Forwarding)メカニズムを概説し、その課題を分析している。CSQF は、パケットヘッダにサイクル情報を付加することで、端末間の遅延と遅延ばらつきを抑えることができるが、ネットワーク全体でのフロースケジューリングの方法が明確でない。
そこで本論文では、以下の取り組みを行っている:
サイクルタグ計画(CTP)モデルを提案し、長距離リンク遅延とサイクリックキューイング時間を切り離すことで、ホップバイホップの遅延を考慮したスケジューリングを実現する。また、複数フローの競合を避けるため、サイクル関連のキューリソースブロックを離散化し、最大キューの長さ制約を満たすようにマッピングを行う。
フローオフセットとサイクルシフト(FO-CS)アルゴリズムを提案し、スケジューラブルなフロー数を迅速に算出する。さらに、タブー探索法を用いたタブーFO-CSアルゴリズムを開発し、スケジューラブルなフロー数を最大化する。
広域トポロジーを用いた評価実験を行い、FO-CSアルゴリズムがナイーブアルゴリズムに比べて31.2%スケジューラブルなフロー数を増加させ、タブーFO-CSアルゴリズムが2000フローレベルで94.45%のフローをスケジューリングできることを示している。
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