本論文では、量子トンネリング時間の問題を解決するために、時間到着演算子(TOA演算子)の理論を用いて分析を行っている。
まず、古典的な時間到着時間TCを量子化する際の演算子順序規則の影響を調べた。様々な順序規則を用いて量子化された演算子ˆTQを検討した結果、いずれの場合でも量子トンネリング時間は瞬間的であることが分かった。
次に、時間-エネルギー正準交換関係(TE-CCR)を満たすように構築された演算子ˆTSについても同様の分析を行った。ˆTSの場合も、ˆTQと同様に量子トンネリング時間は瞬間的であることが示された。
これらの結果から、量子トンネリング時間の瞬間性は、演算子の選択や順序規則、TE-CCRの有無に依存しないことが明らかになった。つまり、量子トンネリング時間の瞬間性は、量子力学の基本的な性質に由来するものであると結論付けられる。
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