本研究では、離散要素法-有限要素法(DEM-FEM)連成シミュレーションを用いて、高度に凝集性の強い金属粉末のローラー式スプレッド戦略を探索した。主な知見は以下の通り:
ブレード式スプレッドと比較すると、ローラー式スプレッドは高度凝集性粉末に対してより効果的である。特に、ローラーの逆回転と振動を組み合わせることで、粉末の凝集力を効果的に破壊し、高密度で均一な粉末層を形成できる。
ローラー式スプレッドの最適化には、ローラーの表面摩擦係数と運動学的パラメータ(送り速度、角速度)の適切な組み合わせが重要。角速度が500 rpm付近で最適な粉末層品質が得られ、それ以上の高速回転では粉末の飛散が生じる。
ローラーの振動スプレッドは、ローラーの機械的ランアウトの問題を回避できる有望な手法である。適切な振幅(1度以下)と周波数(0.5-5 kHz)の組み合わせで、500 rpm相当の最大周速度を実現できる。これにより、高密度で均一な粉末層を形成できる。
基板の付着力が低下すると、粉末層の品質が向上する。これは、積層造形プロセスにおける溶融/固化領域と未溶融粉末領域の差異を考慮する上で重要な知見である。
本研究の知見は、高度凝集性金属粉末の効率的なスプレッド技術の開発に資すると期待される。
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