本研究では、物理情報ニューラルネットワーク(PINN)の訓練において、偏微分方程式(PDE)と初期/境界条件(IC/BC)を満たすための補間点(CL点)と、実験データを表す実験点(EXP点)の選択を統合的に最適化するアルゴリズム「PINNACLE」を提案している。
PINNの訓練では、これらの異なる種類の点を組み合わせて使用する必要があるが、それぞれの点が異なる訓練ダイナミクスを持つため、訓練が困難になる。従来の研究では、CL点やEXP点の選択を個別に扱っていたが、本研究では点の種類間の相互作用を考慮し、全ての点の選択を統合的に最適化する。
具体的には、まず拡張された入力空間を定義し、ニューラルネットワークの特徴空間(NTKスペクトル)を用いて、点の選択が訓練の収束に与える影響を分析する。この分析に基づき、訓練の収束度を最大化する点の選択基準を定義し、Nystrom近似を用いて効率的に計算する。
さらに、訓練の進行に合わせてCL点の割合を自動的に調整するバリアントも提案している。実験の結果、PINNALCLEは順問題、逆問題、転移学習の各設定において、既存手法を大きく上回る性能を示すことが確認された。
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