Core Concepts
ホルミンは、細胞分裂、細胞運動、機械受容などのアクチン依存プロセスで重要な役割を果たすが、アクチンフィラメント(F-アクチン)に結合した構造が明らかになっていなかった。本研究では、クライオ電子顕微鏡を用いて、INF2とDia1という2つのホルミンがF-アクチンの中央部と芽端に結合する5つの構造状態を明らかにした。これらの構造から、INF2とDia1がF-アクチンの切断と伸長を異なる機構で行うことが示された。
Abstract
本研究では、ヒトが発現する15種類のホルミンのうち、特にINF2とDia1に着目し、これらがアクチンフィラメント(F-アクチン)の切断と伸長をどのように行うかを明らかにした。
クライオ電子顕微鏡を用いて、INF2とDia1がF-アクチンの中央部と芽端に結合する5つの構造状態を解明した。これらの構造から、INF2とDia1がF-アクチンの切断と伸長を異なる機構で行うことが示された。
INF2のFH2ドメインとWH2ドメインの配置は、F-アクチンを切断する位置にあることが明らかになった。一方、Dia1はF-アクチンを切断する構造を持たないことが示された。
また、プロフィリン-アクチンがF-アクチンの急速に伸長する芽端に供給される様子と、供給された単量体がF-アクチンの構造に移行し、プロフィリンが放出される過程も明らかになった。
以上の7つの構造から、ホルミンによるF-アクチンの切断と伸長のメカニズムが段階的に可視化された。
Stats
ヒトが発現する15種類のホルミンが重要な役割を果たしている。
INF2は強力な切断活性を示すが、伸長活性は弱い。
Dia1は強力な伸長活性を示すが、切断活性はない。
Quotes
「ホルミンは、細胞分裂、細胞運動、機械受容などのアクチン依存プロセスで重要な役割を果たす」
「INF2のFH2ドメインとWH2ドメインの配置は、F-アクチンを切断する位置にある」
「Dia1はF-アクチンを切断する構造を持たない」